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2019/05/21 10:52
didi Sonogaのエシカル対談、第3弾です。
今回はピラティス・ダンスインストラクターのMayu-riさんをお迎えして、体と心のこと、エシカルのことをお話ししました。
~Mayu-riプロフィール~
心と身体の健康づくりをテーマに、多摩地区を中心に色々なスポーツクラブ・ヨガスタジオでのレッスンを行なう。取得資格はFTPマットピラティスインストラクター、中医薬膳師、IYCキレイになるヨガインストラクター、JAPA認定アーユルヴェーダアドバイザー。
まっすぐ突き進んじゃう私です
didiチーフデザイナーSonoga(以下、Sonoga) 今日はよろしくお願いします。ピラティスインストラクターと、ダンサーをされていますよね。どうやって今のお仕事に至ったか、経緯を伺ってもいいですか?
Mayu-riさん(以下、Mayu-ri)はい。20代のころは洋服が大好きで、有名なオートクチュールのアパレルで働いていたんです。帽子職人に弟子入りしたり、西麻布にあったお店で販売をしたりもしました。でも、一生懸命働きすぎちゃって、体を壊してしまったんです。
Sonoga あら、インストラクターをなさってるから体力あるほうだと思うのに。
Mayu-ri そうですよね。もともと虚弱体質で、体力がなかったこともあったんだと思います。体力づくりのために地元のスタジオに行ってピラティスとダンスを始めたんですが、それが楽しくて、当時の先生から勧められて、養成学校に通うようになりました。
Sonoga それがこの職業とつながるわけですね。
Mayu-ri そうなんです。ただ……晴れて働けることになったのに、今度は整体で右脚を壊されてしまって。
Sonoga えっ!そんなことってあるんですか?
Mayu-ri 結構よくあることらしいんですよ。結局1年半ぐらいは歩くことも大変で、フィットネスインストラクターの仕事ができず、知り合いのSEの総務の仕事をさせてもらい、デスクワークをしていました。
Sonoga 波乱万丈というか、辛いことが続いたんですね。
Mayu-ri もうこれは厄年じゃないか、心機一転しようと思って、今使っている「Mayu-ri」という名前を自身に付けました。仲間と一緒に考えたんですよ。ダンサーネームとしても使えるものがいいなと思って、サンスクリット語の「孔雀」という意味の言葉から取りました。
△ダンサーの姿のMayu-riさん。普段からのスラリとした綺麗な姿勢が活かされています
Sonoga そこから来ているんですね。すてきなお名前だと思っていました。
Mayu-ri ありがとうございます。いまだに患部が古傷のように痛むことはありますが、厄年を抜けてからはインストラクターとダンサーの仕事ができるようになりました。今はフリーでやっているので、ライフワークバランスもうまくとれていますよ。
Sonoga 休むことって大事ですもんね。
Mayu-ri その通りですね。私、気を付けていないと何事にものめり込んじゃうほうなので。
Sonoga 何にでも没頭して集中できるって、すごい才能だと思いますよ。
Mayu-ri でもやっぱり体を壊したら元も子もないので、この頃は量より質を心がけています。ダンスもピラティスもそうですが、1日中練習するよりも「どう体を動かしたら体が心地よいか」を考えながら、数分でもいいから時間を決めずに集中して練習するようになりました。
Sonoga 体が思うように動かないとき、ダンスなんかもなかなかできないと思うんですが、どうでしたか?
Mayu-ri ベリーダンスを10年ほどやっていますが、足を怪我して動かせなかった時に友人から「インド舞踊は手の動き(ムドラー)だけでも表現できるよ、レッスンで習ってみたら?」と聞いて、古典のインド舞踊のお教室に行ったんです。今ではボリウッドダンスもしますよ。
怪我の功名?「厄年」を乗り越えて
Sonoga プロフィールには「中医薬膳師」ともありますが、どういったものですか?
Mayu-ri これはメインでやっていることではないんですが、ピラティスの生徒さんに体を整えるお話として役立てています。私はピラティスを通して、身体の不調に悩む人の手助けができたらと考えているので、若い生徒さんからお年寄りの方まで喜んで聞いてくださいます。
Sonoga ピラティスと薬膳、一見するとあまり繋がりがないようにも思えるんですが……。
Mayu-ri そうですよね。よく「多趣味だけどジャンルがバラバラだね」とも言われます。SEのお手伝いをしていた頃、脚のリハビリを受けていたんですけど、同時期に原因不明の腹痛になったりもしたんです。
Sonoga うわー、踏んだり蹴ったりですね。
Mayu-ri 本当に(笑)。いろいろな病院で診察してもらいました。どうにか治したいと思って学び始めたのが東洋医学です。日本の食生活と似ているかな、と思い、中医学・薬膳の資格を取りました。
Sonoga 学んだことが生かせているんですね。たしかに深いところまで聞くとちゃんとつながっています。
Mayu-ri 私の厄年、無駄じゃなかったと今では思います。症状が出ないとこんなに深くまで考えられなかったですし、興味のあることが次につながっていくのが実感できたのがよかったです。今がもちろん自分の人生の中で一番年を重ねているんですが、今が一番元気です。
△のびのびと屋外でピラティスをするMayu-riさん。ピラティスとヨガの大きな違いは、その成立過程にある。ヨガが精神面に重点を置く一方で、ピラティスは筋肉などの具体的な体の調整を主としている。
サリーの色、didiが伝統を大切にするわけ
Sonoga Mayu-riさんがdidiに初めていらっしゃったときは、グランデュオ立川のイベントスペースにいた時ではなかったでしょうか?
Mayu-ri そうです。たまたま通りかかったときに、華やかな色合いでかわいい!と思ってお店に来ました。
Sonoga ありがとうございます。Mayu-riさんは、普段どんなお洋服を着られるんですか?
Mayu-ri フィットネスインストラクターの仕事に転職してからは、動きやすさなどの機能性を重視した服が多いですね。最近は私も断捨離をしたりするんですが、長く着られるものを少しだけ持ちたいなと思っています。良いものは、今日のネパリパンツもそうだと思うんですけど、流行に関係なく着られますもんね。
Sonoga まさにそれがdidiの提案する服との付き合い方です。
Mayu-ri 黒い服も好きなのでシンプルなトーンに収まりがちなんですが、黒に明るいdidiの色をプラスすると嬉しい気持ちになります。今日のSonogaさんのトップスも、そういう感じですよね?
△Mayu-riさんの紫色のボトムスが、didiの定番巻きパンツ「ネパリパンツ」。
Sonogaはこの日は赤いシルクの「HAORI」を羽織っていました。
Sonoga そうですね。今日のロングベスト、HAORIと呼んでいるんですが、このサンプルは私の母が作った着物生地のベストだったんです。実はストーリーがあって……
Mayu-ri didiの商品にそんなストーリーがあったなんて!私も顔の近くに明るい色を持ってきてみようかな。
Sonoga ぜひやってみてください。お手持ちのdidiの商品の気に入っているポイントはありますか?
Mayu-ri オートクチュールに携わっていたこともあって、つい縫製や素材に目が行ってしまうんですけど、didiさんのはすごくしっかりしています。ネパールの職人さんが作っているんだなって、はっきり分かりますよ。ビンテージのサリーも、これだけ良質なものを集めるのも大変なのでは?と思ってしまいます。
Sonoga 嬉しいです!ビンテージのサリーは日本の着物と同様に価値のあるもので、たしかに最近数が少なくなってきています。伝統を継承するという面でも、didiはエシカルなことに取り組んでいるんですよ。ところで「エシカル」という言葉、最近耳にするようになりましたが、まだあまりなじみがないようですね。エシカルという流れは、didiがずっと行なってきたネパールとのフェアトレード(発展途上国の人々に仕事と正当な賃金を与える、などの活動)よりも広い意味で「ある産業において、世の中により良い仕組みをつくる」活動のことなんです。 例えば、洋服メーカーの生産過剰による廃棄なども問題になっています。didiでのエシカルな取り組みとしては、リサイクルサリーを使い、また生地を余すことなく使い、廃棄が少なくなる取り組みをしています。didiのいろんなアレンジができる巻きスカートも流行にとらわれずずっと使えるという意味ではサステナブルで、エシカルの意義にかなったものなんです。
Mayu-ri わあ!そんな素敵な製品を作っていらしたんですね。なんだかますます応援したくなりました。
Sonoga 応援よろしくお願いします。本日は、ありがとうございました。
編集後記
Mayu-riさんに降り掛かった苦難。それでもめげずにやっていこう、と選んだ小道が繋がって大きな街道になっているように感じました。
もっと太い道をこれから作ってくださいね。
お話して私も元気をもらいました。がんばらないとです。