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2019/04/22 16:50
今回もやってまいりました。「didi Sonogaのエシカル対談」
第1弾はこちら→ https://didi.fashionstore.jp/blog/2019/04/13/155044
第2弾は、didi主催のウードミニコンサートにて、グランデュオ立川館内に素敵な音色を響かせてくださった矢島夕佳里さんをお迎えしてお話を伺います。
~矢島夕佳里プロフィール~
エジプト旅行中にアラブの舞踊と音楽に出会い興味を持ち、2009年よりウード演奏家の今井龍一氏に師事。
エジプト大使館、常滑市INAXミュージアム、神戸市白鶴美術館でのイベントに出演。
アラブ音楽ユニット「ムシカ・アラビーヤ」
https://ja-jp.facebook.com/musikarabia/
ウードとの出会い
didiチーフデザイナーSonoga(以下、Sonoga) 矢島さんにお店でお会いするとなんだかホッとするんです。いつも人のことを気遣う優しい印象があるんですけど、何か心がけていることはありますか?
矢島さん(以下、矢島) 私、あんまりクヨクヨしないんですよ。特に大きな願い事もないし、いい意味で現状に満足できています。あと、歳を重ねるにつれてパワフルになっている感じがありますね。むしろ、昔できなかったようなことが今できていることがすごく多いです。
Sonoga 矢島さんの普段のお仕事は何でしょうか?
矢島 現在は金融機関のインストラクターをやっています。銀行で仕事をする新人さんに、こういう仕事をするんですよというレクチャーをしています。
Sonoga 大学出てからずっとそのインストラクターに?
矢島 以前は大手銀行の融資担当だったんです。でも私には銀行の融資の仕事は本当に精神的負担が大きかったので、銀行で10年ほど勤務した後、今の職場に転職しました。冷徹に融資の仕事をこなすのが辛かったのです。この転職は今のライフスタイルに少なからず影響を与えています。
Sonoga エジプトにご旅行に行ったとプロフィールにありますが、それが中東文化との出会いですか?
矢島 偶然、友達とエジプト旅行の話が出たんです。それまではエジプトに何の繋がりもなかったんですが、ツアーに参加して遺跡を見たりして、古代の文化に圧倒されました。さらに現地の音楽を聴いたときに、私が長くやっているフラメンコの音楽と近いものを感じたんです。日本に帰ってからも興味が尽きず、ヒエログリフの講座を受けたり、エジプト民族舞踊の教室に通ったりしました。その舞踊の教室で存在を知ったのがウードです。
※ウードとは:中東から北アフリカで使われる11弦の弦楽器。
詳しくはこちら→ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%BC%E3%83%89
△矢島さんが抱えているのがウード。最初はそのフォルムに「お家に置いておいたら綺麗!」と思われたそう
Sonoga 今はウードの活動がメインになってますよね。いろんなお仲間もできて、違う世界が広がってきたんじゃないかと思います。
矢島 最初は中東の古典音楽をやっていただけでしたが、その演奏を聴いた人から、ヨーロッパなど、様々な土地の音楽を一緒にやってみようと声をかけていただけることが増えました。自分自身、中東の音楽だけにこだわらずウードの音がよく響くのであればどんなジャンルでもやりたいと思っています。今年の夏は、ウードでフラメンコをやる計画もありますよ。
Sonoga 演奏活動をされて何年ですか?
矢島 人の前で演奏し始めて4年ぐらい、習い始めて今年で10年です。
Sonoga 聞きに来る方は民族音楽や中東の楽器が好きな方もいれば、知識がない方もいると思いますけど、反応や手ごたえはありますか?
矢島 そういうジャンルや楽器について詳しい人はもちろん、知らない人でも「いい音色の楽器ですね」って感想を言ってくれて、それが演奏で伝わるというのがすごく嬉しいです。今年2月のdidiさん主催の演奏会で初めてウードを知って、その後私たちのライブを聞きに来てくれたお客さんもいますよ。
△ 2019.02.02 didi主催 ウードミニコンサート当日の様子。グランデュオ立川の4階特設会場にて
didiとの出会い
Sonoga 最初は銀座の東急プラザの催事でお買い上げくださいましたね。
矢島 今日着ているのが最初に買ったパッチワークスカートです。
Sonoga お店を見つけてくださったときの第一印象のdidiと、その後のdidiで印象が変わったところはありますか?
矢島 まず見た目で、きれいな色のお洋服がいっぱいあるのに惹かれました。その後お店でもらったパンフレットを見て、ネパールで作って、それに見合った値段を支払っているというのを知りました。そういうエシカルな部分でも印象に残ったし興味が出てきました。現地の人が服を作っている写真もすごくよかったです。
Sonoga ありがとうございます。実際演奏などでも取り入れてくださって、着てみてどうですか?
矢島 アジアンテイストの服ってどうしても夏の服というイメージがあるんですが、didiさんのシルクは夏にはもちろん、寒い時にもあったかいから、季節を問わず着られます。それだけでなく、着た時に体が心地良いっていう感触があったのが、その後も買い続けている理由だと思います。そこからお洋服選びが変わりました。無駄にお洋服を買うことがなくなったんです。仕事着は必要最低限の数着を着まわして、プライベートでは自分が気持ちよくいられる服を選ぼうと思うようになりました。自分がそういうのを選ぶようになって、内面が変わってきた所があると思います。ナチュラルでいられるようになったのも、didiさんに出会ってからのことじゃないかな。
いつの間にかエシカル思考にさせてくれたdidi
Sonoga didiのシルクサリーシリーズは、ネパールのサリー生地を作り変えているものです。よくよく考えたらdidiはもう既にシルクサリーシリーズを10年以上やっているので、以前からエコなことに取り組んでいることになります。それに加えて、ネパールの工場で現地の人のスキルの向上とか、彼らがきちんとした賃金を手にできる仕組みを作ろうという考えのもとに生産しています。こういったエシカルなファッションについて、どう思いますか?
矢島 そういうことに取り組まれているのは素晴らしいし、私の興味のあるところです。自分の着ているものが、どういう過程で・理念で作られてるっていうのを説明してくださるのっていいなと思います。そして、作ってるものもすごく個性的でかわいくて、最高ですよね。私はdidiさんでシルクを選ぶとき、「一生手元に置いておきたいかどうか」を基準に入れるようになりました。年が経って外出用の洋服の役目を終えても、その後も部屋着やクロス、布地の小物など最後の最後まで使いたいという気持ちでいます。最終的に自然に帰る素材っていうのは、絶対人間の体にもいいはずなので、このコンセプトでぜひ続けていってほしいです。
Sonoga 本日はありがとうございました。近々のライブの予定について教えてください。
矢島 ムシカアラビーヤは女性だけによるアラブ音楽ユニットです。アラブヴァイオリン、ウード、ダルブッカ&レク、ヴォーカルといういつもの編成に、今回はアラブの琴カーヌーンの響きが加わるスペシャル版です。お楽しみに!
編集後記:
人間らしく楽しく前向きにありたいという、人柄が伝わる対談でした。人を和やかな気持ちにさせてくれる方。夕佳里さんの人生経験が他を思いやる心をつくっていったのでしょうね。(Sonoga)